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コンピュータの世界に40年、その経験が役立てば、これに過ぎた幸せななし。
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 女房殿の会社のシステムが全面的に変更されるという話を聞いた。 数年前、完全に外資系の会社になったので、遠からず、実施されるとは思っていた。 具体的なことは判らないが、何でも数人のインドの技術者が長期滞在して、システムを改変あるいは構築しているそうだ。
 
 従来のシステムは、NECのメインフレームACOSによって構築されていた。 今回のシステムは、テキサスの本社のシステムと統合することが目的であるようだ。 ORACLEを使うらしい。 今、その作業で、現場の社員もてんてこ舞いの状況とか。
 
 女房殿の話では、各部署との調整が難しいらしい。 どうも、モジュール化で作業が行われていると思われる。 まあ、それ自体、特に問題があるのではないが、ただ、落とし穴があることも事実なのだ。
 
 システムと云うものは、生き物である。 様々な環境要因により進化する。 コンピュータ・システムを導入する以前の問題なのだ。 概して、その事実を軽視して、コンピュータを導入する。 長年、行われてきた現場の作業、言い換えれば、原システム、例えば、作業手順や指示あるいは書類体系は、業務改善や規格化により進化してきたのだが、コンピュータの導入とか入れ替えになると、その事実を、どういう訳か重要視しない傾向がある。
 
 業務の革命とかいわれ、華々しさがもてはやされるのだが、そこには、予期しない陥穽があるものだ。 四十年余、様々な場面で、そんな状況に遭遇した。 おかしな言い方かもしれないが、キルケゴールの言う「死に至る病」における「必然性と可能性の絶望」のような、現実と理想の相克を生むのである。
 
 システムあるいは体系と云うものには、必ず「特異点」が存在するか、あるいは生じるものだ。 数学や物理の理論上の問題ではない。 むしろ、現実のシステムにこそ、常に、「特異点」は存在し、また、気付かぬ内に拡大している。 特に、時系列の切れ目が、発生の要因になる。 力学的場に「特異点」が発生すると、外的要因で、「特異点」から場の崩壊が始まる。 (進化の起点になることも付け加える。)
 
 コンピュータ・システムに携わって四十年余、システム屋として、最も恐れるのが、この特異点なのだ。 コンピュータ・システムは、大きなシステムの一端でしかない。 最近は、余り使われないが、マン・マシン・システムと謂う言葉があるように、時には、人とコンピュータ間で、時には、社内あるいは社外との関係、また人間関係も、「特異点」を生む要因になる。
 
 まあ、他人事と言ってしまえば、それまでだが、企業がグローバル化すればするほど、否、システムが巨大化すればするほど、思わぬ陥穽の存在を警戒しなければならない。
 
 最後に、歴史的な事例を紹介しておこう。 「世界大恐慌」の原因と言われるものは様々である。 しかし、その一つに、電信の普及があったことを知る人は少ないかもしれない。 第一次世界大戦後の好景気に沸く米国では、農業が隆盛期を向かえ、単一作物による大規模農業へと変化した。 まあ、このことは、おくとして、要は、農家が皆金持ちになったのである。 そこに普及したのが、電信による株の売買あるいは商品(農産物など)相場だった。 シカゴやニューヨークの商品市場や株式市場が、一気に拡大した訳だ。 従来、需要と供給のバランスで動いていた市場に、思惑が入り込む。 現物市場とのギャップは、必然的に拡大した。 ケインズの謂う「流動性選好」である。 電信の普及と思惑、どう解釈されるかは、皆さんにお任せする。
 
 そう言えば、「複雑系」という言葉も、最近、余り聞かないが、米国で蝶が飛び立つと、日本では何が起こるのだろう。 尚、「特異点」に関する解釈については、飽くまでも私見である。
 
Best regards
梶谷恭巨
 
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